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brevaxen の知財関連ブログ

弁理士会のホームページをいろいろみていたら、特許事務所(あるいは、実用新案事務所、意匠事務所、商標事務所、弁理士事務所)の開業の仕方があったので、忘れないうちに貼っておきます。

「予備的定型記載」というのは勝手につけた名前であり、【発明を実施するための形態】に、

本発明は各実施形態に限定されず種々の変更が可能である。

とか、

本発明を実施例により具体的に説明するが
本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。

というように発明が説明に限定されないことを念のために主張しておく記載文句です。こういう予備的記載は果たして効果があるのだろうかと常日頃疑問に思いながらも業界の慣習のようなことですので、私としては書くようにしておりますが、平成26(ワ)10489号(特許権侵害差止等請求事件/平成28年9月8日/大阪地方裁判所)では、螺旋ハンガー用クランプの特許権侵害が争われ、判決文に予備的定型記載についての指摘がありました。

構成要件Bの「第1プレート」と「第2プレート」について定義がなく、明細書中のどの記載に対応するのかについて、原告と被告との主張が異なりました。裁判所は、
ところで,本件明細書においては,「第1プレート」及び「第2プレート」についての定義はなく,説明も特に記載されていないところ,確かに,本件明細書における実施形態としては,被告が主張する実施形態が記載されている(【0013】,【0017】ないし【0019】,【0024】,【0034】)。

と指摘し、被告の主張を採用するように見せかけておいて、
しかし,本件明細書において「本発明は上述してきた実施形態に限定されるものではなく,特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において,種々の変形・変更が可能である。」(【0038】)と記載されているように,実施形態に限定されるべき理由はない

と、予備的定型記載である「本発明は上述してきた実施形態に限定されるものではなく,特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において,種々の変形・変更が可能である。」という文言が書いてあることから、被告主張よりも広く解釈が可能であることを指摘しました。予備的定型記載は効果があるようです。

1年間に数千件の特許出願の代理人になられる大手特許事務所の所長さんは大変だと思います。約3千件の出願があるとして、1日あたり100件以上は出願手続きに関与して代理することになります。

ところで、今日の日本経済新聞13版の38ページによると、天皇陛下が、内閣から届く書類に署名・押印された件数は、過去1年で約1千件になるとのことです。陛下のご年齢を考えると相当のご負担かとご案じ存じあげます。

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