ドクガク先生によると今年の弁理士の日のお題は「知財業界でホットなもの(又は新しいもの)」ということです。

定型的な業務をこなしている身としては、何がホットなのか正直いってよくわからないのですが、最近話題になったのは、特許庁からの


という、「ほとんどが出願手数料の支払いのない手続上の瑕疵のある出願」が大量になされているお知らせでしょうか。少なくとも、インターネット出願ソフトでは、【手数料の表示】の欄を作らなくてもエラーにならず警告になるだけで簡単に出願できてしまいますが、どうも、商標条約という条約上は出願手数料が出願の要件とはできないのが根本的な原因らしいのです。なので、条約が改正されない限り今後も発生するのでしょう。

おそらく特許庁も指をくわえて出願されるままになっていたことがなかったのでしょう。出願人に「行政指導」をしてみたものの、効果がなかったので、上記のお知らせということになったのでしょう。

「行政指導」を推測させる事案として、とある弁理士さんが予納残高不足のまま2~3年出願業務をしていた事案があります。予納残高不足だと、「手数料納付してください。さもないと却下します」という手続補正指令が出るので、その弁理士さんは毎回、手続補正指令が出るまで手数料の納付を先送りにしていました。

しかし、特許庁側も毎回手続補正指令を出すのも面倒になったのか、その弁理士さんに電話で「行政指導」をしたようです。それを推認させるものとして、その弁理士さんが提出した手続補正書(方式)にこんなことが記載されていました。

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普通なら、特許庁のY(伏字の名字)様に電話で、「手続補正書(方式)により納付しました」と連絡すればよさそうなものですが、わざわざ【その他】欄に書くということは、よっぽど辛辣なことをY様に言われてしまったのでしょう。

さすがに、その弁理士さんもまずいと思ったのか、この手続補正書(方式)を提出してからは、今のところ、予納残高不足はおこしていないようです。

なお、手続補正指令を出さずに済んだY様ですが、結局、こういう通知書をださなければいけませんでした。

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ちなみにこの特許出願は、特許庁の心証を害したためか、拒絶査定になってしまいました。

ということで、焦点の定まらない内容の「知財業界でホットなもの(又は新しいもの)」でした。

以上